登録番号:C02-007 D1:教科における情報活用能力の育成
Q. 生徒のプレゼンテーション能力向上させるためには、どのような指導をしていけばいいのでしょうか。
A. プレゼンテーションの組み立てのプロセスは、探求的な学習と同じです。それを意識して指導していきましょう。
プレゼンテーション能力とは具体的には「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」の総合的な能力だと言えます。これは、探求的な学習のプロセスと、まったく同様です。
言いかえれば、プレゼンテーションのための技術・操作をいくら指導しても、能力の向上にはつながりません。
教師がこれらのことを意識して子供たちと関わる(指導する)ことが大切です。
それぞれの活動における指導のポイントを、見ていきましょう。
課題の設定
課題を設定する際は、子供たちに「やってみたい」「なんでなんだろう」という気持ちを持たせることが大切です。そのためにも教師は意図的な働きかけを行い、学習対象との出会わせ方を工夫しましょう。次のような点に配慮して課題を設定しましょう。
○人、社会、自然に直接かかわる体験活動を重視すること
○児童の発達や興味・関心を適切に把握すること
○これまでの児童の考えとの「ずれ」や「隔たり」、理想と現実の対比などを大切にすること
○各教科等で身に付けた知識・技能を積極的に活用すること
【写真】ウェビングを用いてテーマに対する経験や興味・関心、知識など、そこから派生するものを可視化し、課題を設定した。
【写真】郷土かるたを用いたKJ法で、自分たちの町に対する経験や知識など、そこから派生するものを可視化することで生まれた気付きや疑問を、類型化して課題を見いだした。
理解度CHECK!
生徒のプレゼンテーション能力を向上させる学習の場合、考慮しなければならないことを選びましょう。
情報の収集
情報収集には観察、実験、見学、調査、探索、追体験など様々な方法があります。課題がしっかりと設定できたら、どのような方法で情報を収集したらよいかも自ずと決まってきます。次のような点に配慮して情報を収集しましょう。
○体験を通した感覚的な情報の収集や数値化された客観的な情報の収集を行うこと
○課題解決のための情報収集活動を自覚的に行うこと
○その後の探究活動を深めるために、収集した情報を適切な方法で蓄積すること
○より多くの情報、より確かな情報の収集を行うために、各教科で身に付けた知識、技能を発揮すること
理解度CHECK!
次の活動の中で情報の収集活動の場合、考慮しなければならないことを選びましょう。
整理・分析
集めた情報は整理・分析を経て、まとめ・表現へと繋がっていきます。様々な見方や考え方による整理・分析を経て、生徒自身がどのような意見を持つかが大切です。次のような点に配慮して情報の整理・分析をさせましょう。
○どのような情報が、どの程度収集されているかを把握すること
○どのような方法で情報の整理・分析を行うのかを決定すること
○整理・分析する活動として、「比較して考える」「分類して考える」「序列化して考える」「関連付けして考える」などの思考との関係を意識すること
○国語科や社会科、数学科、技術・家庭科などの教科等での学習との関連を図り、教科等と総合的な学習の時間が互いに支え合うように配慮すること
理解度CHECK!
整理・分析の活動の中で意識するとより効果的なものはどちらでしょうか。
まとめ・表現
整理・分析を経て得られた情報を、自分の考えとしてまとめたり、他の人に伝えることを意識して発信したりすることによって、児童生徒の考えはより深まります。 次のような点に配慮して、まとめ・表現をさせましょう。
○情報を再構成し、自分自身の考えや新たな課題を自覚すること
○相手意識や目的意識を明確にすること
○伝えるための具体的な方法を身に付け、内容を明らかにすること
○各教科等で身に付けた表現方法を積極的に活用すること
理解度CHECK!
まとめ・表現の活動の中で意識するとより効果的なものはどちらでしょうか。
上手にプレゼンテーションを行うために
これまでのことを実行したら、あとは練習あるのみです。子供たちの実態に合わせたチェックリストを作成するなどし、繰り返し練習させましょう。