登録番号:C03-021 C1:授業におけるICT活用(指導上の留意点)
Q. 実験条件の整理と結果を考察する場合のICT活用の留意点を教えてください。
A. ICTを活用して実験結果を確認したり、結果をグラフ化したりすることが有効です。
水の三態変化
例えば、小学校4年 理科 粒子の領域「水の三態変化」について学習する単元があります。
この単元では、水は、温度によって水蒸気や氷に変わること。また、水が氷になると体積が増えることについて学習します。
理科のねらい 水の状態に着目して、温度の変化と関係付けて、水の状態の変化を調べることができる。 水は温度によって液体、気体、又は固体に状態が変化するということを捉えることができます。
ICTを活用すると実験への興味づけと時間を短縮して変化を捉えることができます
例えば、左のような冬の朝の写真を見せると、身近な経験から水の姿の変化を考えさせる機会となります。
三態の変化においては時間がかかるので、タイムラプスなどを活用して時間を短縮して変化を捉えるとわかりやすくなります。
また、NHK for school の活用も有効な手段となります。
実験の様子を録画します
時間による水の変化を見逃すことなく、しっかりと捉えることができます。
動画など画像として残すことの良い点は月日時刻・時間が入ることです。
実験結果をグラフにします
水の温度の変化を捉える際に、実験の結果をグラフで表現し読み取りやすくします。
その際に縦軸と横軸の関係を調整して、水の温度変化が読み取りやすいよう工夫させましょう。
「温度変化にともない水の状態が変化する」と「体積も変化する」ことを図や絵、写真を用いて表現させるとより理解が深まるでしょう。
ふりこの性質
小学校5年 理科物質のエネルギーにおいてふりこの性質について学習する単元があります。
この単元では、振り子の周期はふりこの長さにのみ依存することを学びます。
その性質を調べる実験において、変数を一つに絞ること、複数回の実験から平均値を求めことを合わせて学習します。
この単元のねらい
物の溶け方、振り子の運動、電磁石の変化や働きをそれらにかかわる条件に目を向けながら調べ、見いだした問題を計画的に追究したりものづくりをしたりする活動を通して、物の変化の規則性についての見方や考え方を養う。
計測記録を録画します
グループで協力してタブレットやデジタルカメラを活用してふりこの実験を録画すると条件による違いをしっかりと理解することができます。
A ふりこの長さ
B おもりの重さ
C 振れ幅
(画像は「啓林館理科 5年生」より)
A(長い×短い)B(重い×軽い)C(大きい×小さい)それぞれにおいて動画で記録を残すことで、いつでもふり返ることができる。
条件に合った資料(データ)を集めます。振り子が1往復する時間を測定する実験は、測定時間が短くバラツキが出やすいため複数回(3回)、同じ条件の実験を測定します。
実験を撮影するときは、変えた条件が何であるかが分かるように「解説を入れる。」ふりこの動きがわかりやすいように「動き出しの前後の数秒を撮影する。」とふり返るときに便利です。
実験結果の特徴や傾向がわかりやすいように、加工します。
理解度CHECK!
次のうち、理科の実験を撮影するときはの留意点はどれでしょう、すべてチェックしなさい。
根拠となる資料
第4学年の内容
A 物質・エネルギー「A(2) 金属、水、空気と温度」
体積や状態の変化、熱の伝わり方に着目して、それらと温度の変化とを関係付けて、金属、水及び空気の性質を調べる活動を通して、それらについての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に既習の内容や生活経験を基に、根拠のある予想や仮説を発想する力や主体的に問題解決しようとする態度を育成することがねらいである。
水が凍って氷になることを捉える際には、寒剤を使って水の温度を0℃以下に下げて調べることが考えられる。
これらのことから、水は温度によって液体、気体、又は固体に状態が変化するということを捉えるようにする。
ここでの指導に当たっては、水の温度の変化を捉える際に、実験の結果をグラフで表現し読み取ったり、状態が変化すると体積も変化することを図や絵を用いて表現したりするなど、金属、水及び空気の性質について考えたり、説明したりする活動の充実を図るようにする。
さらに、水は100℃より低い温度でも蒸発していることを捉えるようにするために、第4学年「B(4)天気の様子」における自然界での水の状態変化の学習との関連を図るようにする。
日常生活との関連として、鉄道のレールの継ぎ目、道路橋の伸縮装置、冷暖房時の空気循環の効果などを取り上げることが考えられる。
第5学年の内容
A 物質・エネルギー 「A(2)振り子の運動」
振り子の運動の規則性について、振り子が1往復する時間に着目して、おもりの重さや振り子の長さなどの条件を制御しながら調べる活動を通して、次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のことを理解するとともに、観察、実験などに関する技能を身に付けること。
振り子が1往復する時間に着目して、おもりの重さ、振り子の長さ、振れ幅などの条件を制御しながら、 振り子が1往復する時間を変化させる条件を調べる。
これらの活動を通して、振り子の運動の規則性についての予想や仮説を基に、 解決の方法を発想し、表現するとともに、振り子が1往復する時間は、おもりの重さなどによっては変わらないが、振り子の長さによって変わることを捉えるようにする。
他教科等との関連として、実験を複数回行い、その結果を処理する際には、算数科の学習と関連付けて適切に処理できるようにする。