登録番号:C04-004 D2:教科における情報活用能力(実践例)
Q. 低学年での情報活用能力育成の実際例を教えてください。
A. 国語科(低学年)で、以下のような例があります。
小学校1年 ものの 名前(光村図書 1年国語 下)
どちらのかごにはいるでしょう。
また、それぞれの名まえもいってみましょう。
国語科のねらい
・意味による語句のまとまりや、上位語(さかな、くだもの)・下位語(あじ、たい、みかん、かきなど)の関係に気づくことができる。
・客と店の人となって売り買いのやり取りをし、尋ねたり応答したりすることができる。
お店屋さんごっこの売り買いのやり取りを通して、上位語と下位語を活用できるようにさせることを狙っています。(画像は「光村図書 1年国語 下」より)
発問の例
発問
りんご、みかん、バナナなどがならんでいます。このおみせやさんは、なにやさんでしょう。
「くだもの」やさん
さかなやさんで「さかなをください。」と言うと、「さかなじゃ わからないよ。」と言われました。
何と言えば良かったのかな。
「たい」ください。「さば」ください。
この学習で上位語(「くだもの」「さかな」)と下位語(「りんご」「みかん」「たい」「さば」など)との関係が理解できます。
図をつくって、分類させてみると、より焦点が明確になります。
情報活用能力を意識すると
答えがさまざまな視点に及ぶ質問をして、整理していくことがいいと思います。
例えば、
「お店のひとが、商品をならべるのに、気をつけていることはありますか。」
お客さんを意識して
魚屋さんも果物屋さんも、同じ仲間を並べているよ。
「果物にはなく、魚にあるものはなんですか」
ヒレがあります。
目があります。
口があります。
水の中にいます。
(海にいます。)
「果物のなかまで同じところはありますか?」
タネがあります。
皮をむいて食べます。
ミカンとバナナは黄色いです。
木になります。
大項目を定めた後、「さかな」や「くだもの」の中にも階層をつくることができます。
階層をつくる視点を、見つけられるようにヒントを与えることが大切です。
階層をつくることが、共有、相違の学習とつながります。
この共有、相違の考え方が3年生/4年生の比較、分類の力につながっていきます。
理解度CHECK!
次のうち、情報教育のねらいにも対応していると思われる学習活動はどれでしょう、すべてチェックしなさい。
学習指導要領にはどう書かれているか
情報と情報との関係
第1学年及び第2学年
ア 共通,相違,事柄の順序など情報と情報との関係について理解すること。
新学習指導要領解説 国語編 P25
(2)情報の扱い方に関する事項
ア 共通,相違,事柄の順序など情報と情報との関係について理解すること。 共通,相違,事柄の順序などに重点を置いて情報と情報との関係を理解するこ とを示している。
相手の考えを理解したり自分の思いや考えを表現したりするためには、話や文章の中に含まれている情報と情報とがどのように結び付いているかを捉えたり、整理したりすることが必要となる。
共通する関係を理解するとは、事柄同士の中から同じ点を見いだしたり、そのことによって共通であることを認識したりすることである。例えば、一見異なるように見えるもの同士にも見方によっては共通する部分が見いだせることを理解したり、似ているもの同士のどことどこが似ているのかを明らかにしたりすることなどが考えられる。
相違する関係を理解するとは、事柄同士の様子や特徴などについて違う点を見いだしたり、そのことによって相違していることを認識したりすることである。例えば、一見似たように見えるもの同士にも見方によっては異なる部分を見いだせることを理解したり、異なるもの同士のどこが異なっているのかを明らかにしたりすることなどが考えられる。
新学習指導要領解説 国語編 P50