登録番号:C05-001 E:機器の操作・指導
Q. 見学学習へ行った時に、伝えたいことを写真に撮る指導するときに、留意することはどんなことですか。
A. 「撮影の許諾を得る」「伝えたいことは何かを考えて、撮影させる」「撮影の仕方によって、伝わり方が変わることに気づかせる」の3つです。
留意点は、
1 撮影の許諾を得ることを指導しましょう。
2 伝えたいことは何かを考えて、撮影させるようにしましょう。
3 撮影の仕方によって、伝わり方が変わることを指導しましょう。
の3つです。
撮影の許諾を得る
写真撮影をする場合、著作権、肖像権、パブリシティー権に留意する必要があります。撮影される側には、法律で守られている権利があることから、見学へ行き、撮影をする時には、撮影の許可を得ることを具体的に指導します。どこでも、誰に対しても撮影してよいわけではないことを理解させ、モラル意識を持たせることが大切です。
見学へ行くと、子ども達には様々な情報を目にして、あらかじめ撮影することを決めていても、【写真1】のように、何を撮影するのかが分からなくなってしまうことがあります。
例えば、スーパーマーケットの見学で、撮影する対象が、スーパーマーケットがたくさん商品を売るための工夫なのか、スーパーで働く人々の工夫なのか、スーパーマーケットにたくさん人が来る工夫なのかによって、撮影のポイントが変わってきます。
【写真1】何を伝えたいのかはっきりさせる。漠然と全体風景だけの写真にならないように
伝えたいことは何かを考えて、撮影させる
撮影する対象が、「商品を買ってもらうための工夫」ならば、たくさん売るための設備、商品の陳列の工夫など、視点を持たせて撮影させることが大切です。
何を伝えたいのかによって、クローズアップする対象が変わることを考えさせましょう。いくつかの写真を組み合わせて(組み写真にして)表現させるのも方法です。
【写真2】「冷蔵庫に陳列している乳製品」
撮影の仕方によって、伝わり方が変わることに気づかせる
撮影する対象をアップにして撮影することは、伝えたい対象を明確にする上で大切なことです。【写真2】のようにズームして「キャプション」(写真の題名)を考えて撮影させるのは有効な手立てです。
また、同じ場所で撮影しても、写真3のようにルーズで撮影すると、伝えたいことの意図が変わってきます。
冷蔵庫に入った乳製品と上に陳列してあるワインを一緒に撮影することで、「おつまみに合うワインを一緒に買ってください」というスーパーマーケット側の販売の工夫が、一枚の写真で伝わります。
見学で子どもが撮影した後で、大事なことは、撮影した写真を振り返る場を設定することです。目的に応じた写真撮影ができていたのかを、写真を見ながら振り返り、確認できるようにしましょう。
【写真3】「ワインと乳製品を一緒にならべる工夫」
このように、子どもに写真を撮影させる場合、
1 撮影の許諾を得ること
2 「伝えたいことは何か」を考えて、撮影させること
3 撮影の仕方によって、伝わり方が変わること
以上の3点に留意し、体験を通して撮影の仕方を身につけさせていくことが大切です。
理解度CHECK!
次のうち、伝えたいことを写真に撮る指導をするときに留意する内容はどれでしょう。すべてチェックしなさい。
授業の事例
1 本時のねらいをつかむ
スーパーマーケット見学の計画を立てよう
2 見学の計画を立てる
(1)見学の場所、時間、内容、持ち物をたしかめる。
(2)見学するポイントを話し合う。
①スーパーマーケットがたくさん売るための工夫
②スーパーで働く人々の工夫
③スーパーマーケットにたくさん人が来る工夫
(3)見学や取材の際の留意点を知る。
①見学のマナーについて
②取材・撮影時のマナーについて
③撮影するときに気をつけることについて
3 本時のまとめ
根拠となる資料(著作権とは)
■著作権とは 、コピーライトとも呼ばれ、音楽、絵画、写真、図形、映画、など創作物における、著作者の権利を保護するために認められた権利の総称。著作権は、著作者の財産的な利益を守る「財産権としての著作権」と、人格や名誉にかかわる部分を保護する「著作者人格権」の2つに分けられる。
■肖像権とは 、自分の顔や姿を無断で写真・絵画などに写しとられたり,それを展示されたりすることを拒否する権利。
■パブリシティ権とは、タレントやアーティストといった有名人の氏名や肖像を財産的に利用する権利。