No. 61: マルチメディアの活用

◆ 校種 ◆
中学校
◆ 教科 ◆
技術家庭
◆ 学年 ◆
3年
◆ 時間数 ◆
約16時間
◆ 教科書 ◆
東京書籍

授業の概要
 生徒にとって卒業アルバムは思い出の玉手箱であり、その内容は、個人写真や学校行事の活動記録が主である。しかし、厳選された写真集であるため、生徒ひとり一人の掲載枚数が少ないのが実情である。そこで、技術科の情報とコンピュータの授業において、生徒が自ら手がける卒業CDアルバムの制作を行う。この制作は、文書作成、画像処理、情報モラル、Webページの制作という一連の情報学習の流れを通じて単元「マルチメディアの活用」を学習させることが目的である。

教科の目標
・マルチメディアの特徴を知り、著作権を考慮しながらマルチメディアを活用していこうという意識を高める。
・自分の考えをマルチメディアで表現する手順をまとめるための能力を養う。
・自分で収集した画像や音声をマルチメディアの情報に加工する能力を養う。

情報教育目標リスト(2011年版)
 ◆A41-3-040: 話の流れに沿った適切な写真やイラストを選択する〔行動〕
 ◆A41-4-040: 自分の発信する情報がもたらす影響を考慮し、適切に修正して発信する〔行動〕
 ◆C12-2-060: 同じ画像でも、人により解釈が異なることを知る〔認識〕
 ◆C31c4-010: 知的財産権(著作権・特許等)の基本的な考え方を知る〔認識〕

学習の流れ





STEP1
・電子アルバムの制作について趣旨説明、掲載内容の検討
・情報モラルについて(著作権、肖像権等の学習)
・制作のページのコンセプトについて
・適切な手続きによる情報収集、すなわち著作権、肖像権、情報の信頼性についての意識を身につけさせる。
・情報を発信するので、プライバシーの保護、情報発信に伴う個人の責任について考える。
・アルバムとして情報を共有するので、ネットワーク上でのエチケットについて考える。
・コンピュータ犯罪など、ネットワーク利用上のガイドラインについて考える。
・制作活動における著作権の尊重について考える。
「こんなページに出会ったらどうする?」

STEP2
・「プロフィール」、「未来予想図」などの基礎データの下書き
・デジタル写真の撮影と加工
・アプリケーションソフトの活用(ワープロ、画像処理ソフト)
・CDのジャケットデザインやタイトル制作
・下書きした自分のデータ、調査して集めた資料
・デジタルカメラ
・スキャナ

STEP3
・Webページの制作(HTMLタグ、データリンクなど)
・デジタルとアナログの違い(ビット、バイトなど)

STEP4
・CDRへの焼き付け(業者に委託すれば省略できる)
・CDジャケットの印刷
・発表の準備をしよう(発表の流れを考える)

STEP5
・制作したページをプレゼンテーションしよう!
・発表を相互で評価しよう!
パソコン
プロジェクタ
ホワイトボード
生徒用発表評価カード

まとめ
・制作者全員が、自分の作品を発表する。
・発表の前に、コツやポイントを伝える(アイコンタクト、声の大きさなど)
・発表時に評価シートを配布し、生徒間の相互評価を行う。

実践のポイント
・身近なことがらから興味を見つけ深めさせる。
・集めた情報についてグループで話し合わせる。
・HTMLタグは見本タグを作り、簡略化し作業時間を短縮させる。
・公開情報であることをしっかり認識させておく。
・内容については教師がしっかり閲覧する。