概要 ねらい Step1:みんなの図書室利用状況や貸出し状況を知ろう! Step2:みんなの知りたい図書情報にはどのようなものがあるのか考えよう Step3:データベースに登録したい本をピックアップしてデータ入力! Step4:おすすめ図書データベースを使ってみよう! 実践にあたっての留意点
図書利用状況のアンケートをとったり、話し合いを行い、図書室の現状を再認識する。
図書室利用の現状についての話し合いや意見交換を行う。
このようなアンケートや話し合いから、学校独自の「図書検索システム(おすすめ図書データベース)」を作ってみてはどうかという提案をして、次のステップに進みたい。
事前にワークシート1のようなアンケートを図書委員会にとらせておくと、スムーズな導入が可能である。
データベースの見本を紹介する。
事前に数冊の文献情報が入ったデータベースを準備しておき、文献検索の紹介をする。見本がまだない場合は、公立の図書館にある「文献検索システム」等を紹介する。
学校独自で、項目を考えたり、感想欄や表紙写 真などを追加できることなど、独自で制作できるメリットを述べる。
データベースの項目を各自で考えてみる 。
利用者の立場から、どのような図書に関する情報があれば便利なのかを考える。 (書名、作者名、出版社名、編集者、ページ数、発行年月日、本の分類(置いてある場所)、冊数、ISBN、値段等)。 公立図書館等に「図書検索システム」「バーコード管理システム」がある場合は図書館見学を行い、どのような項目から本の検索ができるのか調べてみる。 学校の図書室へ行って調べてみる(本を見て、表紙やあとがき、索引等にどのような情報が記載されているのかをワークシート2へ書き出す)。
全員でデータベースとして作成したい項目を出し合い、どうしてその項目が必要なのか、または必要でないのかを話し合う。
「データ入力者(匿名可)」・「おすすめ度」・「おすすめできる理由」・「3行感想」等の項目を追加すると、学校の独自性が期待できる。
データベース項目が決定したら、表計算ソフトで空白のシートを指導者側が作成する(ワークシート3を参照)。
データベースに登録したい本をピックアップする。(1時間)
今まで学校図書室で読んだ本の中で印象に残った本、みんなに読んでもらいたい本を思い返して探してみる。 図書室をあまり利用していない場合は、読んでみたい本、興味ある分野の本を探してみる。
時間数や子ども達の発達段階等によって、記載する本の数を3冊~10冊程度の幅を持たせる(ワークシート3)。
学校全体の教員または地域の人々に呼びかけて、一緒に図書室で活動してもらう。子どもたちがあまり取り上げない図書や、今後の学習でぜひ利用してみたい本、読書週間に読んで欲しい本など、できるかぎり多くの呼び掛けをしてもらい、多様な図書情報を集めたい。
外部の協力者を学校へ招くことが困難な場合は、地域の人々や保護者の方に、「おすすめ図書を教えてください!」というようなアンケートをとることも考えられる。
ワークシート3と同じものを表計算ソフトのファイルで用意しておく。 集めた図書情報を表計算ソフトへ入力する。 すでにデータベースが存在する場合は、これから入力する本がすでに登録されていないかを調べる(検索する)。
すでにデータベースが存在する場合、書名の検索のみ授業開始時に簡単に説明しておく。
子どもたちが入力した表計算ソフトのファイルをまとめて、データベースソフトへファイル変換する。
(指導上) コンピュータへの情報入力の際に、半角全角、西暦か元号か等を統一しておくことが必要である。
進行状況や機材(コンピュータ・デジタルカメラ)数に応じて作業を割り振る。 本の表紙写 真を撮影する。 ワークシート3の記入情報を表計算ソフトへ入力する。 項目を書いた表計算ソフトの雛型ファイルを作成しておく(ワークシート3を参照)。
(進行上) 入力方法の工夫(以下のどちらかを選択する)。 個人的に1人1ファイル(3冊~10冊程度)を入力する。 班単位 で共同して入力する(キーボード入力が得意な子ども、本を探すのが好きな子ども、ワークシートに記入するのができる子どもなど、特性に応じて作業分担する)
様々な検索方法を試してみよう。
ワークシート4を利用し、個人または班で活動する。 「書名から」検索 (○○を含む、○○が先頭にくる、○○で終る等) 複数の条件で検索 (「書名」に「昔話」を含み、1995年よりも新しい本)
みんなで検索条件の例題を出し合ってみよう
他にどんなデータベースがあれば便利なのか、意見を出し合う。
学校で役立ちそうなもの、学習上役立ちそうなもの、日常生活で便利だと思われるようなものを考えてみる。 日常生活で使われているデータベース類(銀行オンラインシステム、コンビニの情報端末、POSシステム等)を取り上げ、現在の暮らしになくてはならないものとなっていることを確認する。
図書室の利用について
きちんと本を元に戻すこと、本の取り扱いなど、基本的な図書利用マナーを徹底する。 図書室に行く前に、何をするのかという目的意識をしっかり持たせるようにしておくことが特に留意する点である。図書室内では、できるだけ子ども達の発見や気づき、教え合いなどを活性化するように配慮したい。
「データベースソフト」の活用について
完成したデータベースがwebとして公開可能であるようなソフトを利用することが、子ども達がどのコンピュータでも活用できるという点で便利である。しかし、特にデータベースソフトを利用しなくても、表計算ソフト上でも一覧や並び替え、検索等が可能であり、または電子メールに図書情報を記入して送信して、メールボックス内部を「並び替え」したり「検索」するということも可能である。学習の目的や情報環境に応じてソフトウェアを使い分ける工夫が必要である。
完成したデータベースの継続利用について
ある程度の情報が集まったところで図書室へコンピュータを設置し、図書室で自由に図書情報を検索できる環境を整備する。 図書貸出し時において、「一言感想・お勧めポイント」というようなカードを渡し、返却時に、感想等の記入されたカードをもらって図書委員が情報をデータベースに入力する。または、返却時に図書室のコンピュータを使って直接感想等を入力してもらうなどして日常的且つ継続的に広く活用していきたい。