第1回から第5回までで説明してきたテンプレートを利用すると、初めての人でも、かなり体裁の良いWebページが短時間で制作できるようになります。それは、この講座で提供したテンプレートが、変更のしやすさ、見やすさ、共同開発の利便性 の観点から機能的にデザインされているからです。
このテンプレートを利用して、いい作品を創作し、Webコンテストに提出してみましょう。
「全国中学高校Webコンテスト」は、生徒が3人から5人で一つのチームを組み、自分たちの興味のあるテーマで、Web教材作品を作り、その制作過程と出来栄えを競う、歴史と伝統のある全国レベルのコンテストです。
1995年、米国でスタートしたこのコンテストは、ThinkQuest(シンククエスト)という名称にて、国際的な教育プログラムとして全世界に広がり、日本では1998年から続いています。
作品の内容は、「Web教材」または「問題解決」の2つの区分があり、優秀な作品はファイナリストとして発表され、このサイトの教材ライブラリーに公開されます。中でも特に優秀な作品には、文部科学大臣賞、総務大臣賞、経済産業大臣賞、特別賞が授与されます。
Webコンテストは5月の末から7月の下旬までチームの登録受付を行っています。登録には、3名から5名の生徒とコーチが1名、また作品のタイトルと概要が必要になります。7月下旬の夏休み前までにチームを編成し、どんなテーマで作品を作るのかを決定できるとよいでしょう。
チーム編成やテーマが早く決まれば、計画的に作品制作を進めることが可能になります。下記のスケジュールのページでは、どの時期にどのような活動をすればいいのかがわかりますので、確認するようにして下さい。
全国中学高校Webコンテストは「Webコンテスト」ではありますが、審査基準を見るとわかるように、Webの技術やデザインの新奇性などを競うものではありません。皆さんがチームで協力して、一つのテーマ(課題)にそって探究してきたその過程と成果を、閲覧者が利用できるようにWebサイトとして発表し、その内容と出来栄えを競うコンテストです。
▼審査基準へ
http://webcon.japias.jp/page-schedule.html
実際に受賞している作品を見てみましょう。ページのレイアウトは比較的シンプルですが、イラストや写真、動画、実験や取材、インタビューなど、掲載しているコンテンツは、自分たちで計画し、調査し、実施し、制作しています。この制作過程が探究学習そのものであり、この一連の活動(内容)が評価されているといっても過言ではありません。
▼作品ライブラリー検索へ
http://webcon.japias.jp/page-lib-search.html
探究学習の成果はレポートやポスターなど、必ずしもWebのような高度な技術を使わなくても実現は可能です。しかし、課題に対して情報を収集する、情報をグループで共有する、結果をまとめてアウトプットすることが前提となっている現代社会においては、インターネットの利用やアプリケーションの利用は、必ず必要になります。また、情報に対する責任や、ネットワークの知識、著作権処理の方法など、インターネット上に公開するからこそ得られる経験もできるのです。