ところで…, 利用状況の実態把握はできていますか?
このような情報モラルの指導のためには,まず,先生方が自分の指導する児童生徒の利用の状況について,家庭など学校以外の場所での利用も含めて実態を把握し,日常の授業や保護者への啓蒙に役だてていくことが大切です。学級や学年ごとの調査と学校全体の集計で,各学年や各学級のインターネットの利用状況をつかむことは,児童生徒の実態に合った指導計画をたてるために必要です。
インターネットの利用実態調査から
平成18年度「情報モラル等指導サポート事業」で実施した調査の結果です。発達段階による利用の仕方の変化がうかがえます。
(協力校:小学校8校,中学校4校,高等学校5校)
●インターネットを主に何に使っているか(データは該当学年調査人数に対する割合(%))
|
小3 |
小4 |
小5 |
小6 |
中1 |
中2 |
中3 |
高1 |
高2 |
高3 |
調査人数(人) |
394 |
398 |
431 |
475 |
497 |
535 |
525 |
1064 |
826 |
681 |
情報を調べる |
48.7 |
61.8 |
64.3 |
72.4 |
70.0 |
78.7 |
82.7 |
81.5 |
82.1 |
87.1 |
ゲームをする |
45.9 |
44.7 |
50.3 |
47.6 |
49.3 |
38.9 |
36.8 |
28.2 |
22.4 |
23.6 |
メールをする |
3.3 |
5.5 |
7 |
12.8 |
24.1 |
31.2 |
32.6 |
20.4 |
15.6 |
20.7 |
掲示板を使う |
4.3 |
4.8 |
5.8 |
10.3 |
11.1 |
12.7 |
16.8 |
19.9 |
18.6 |
18.2 |
チャットをする |
3.3 |
4.5 |
4.9 |
9.9 |
9.9 |
12.5 |
15.8 |
8.1 |
6.8 |
9.5 |
買い物をする |
4.8 |
6 |
7.4 |
9.1 |
5.8 |
12.3 |
14.5 |
15.5 |
20.1 |
25.8 |
ブログを見る |
- |
- |
- |
- |
18.3 |
27.5 |
25.9 |
22.2 |
20.3 |
21.6 |
ブログを書く |
- |
- |
- |
- |
5.4 |
8.6 |
6.3 |
5.1 |
7.9 |
7.6 |
使わない |
17.5 |
15.3 |
11.1 |
11.2 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
その他 |
5.6 |
5.3 |
2.6 |
3.8 |
4.2 |
4.3 |
2.7 |
5.8 |
4.1 |
3.5 |
平成17年6月発行,東京都生活文化局都民生活部の小冊子「インターネットガイドブック」によると,小学生を持つ保護者でインターネットを利用している1100人の回答結果は次のようになっています。
親子でのインターネット利用のルールがあるかどうか?
(1) 親の目の見える所で利用するようにしている |
629人 |
(2) 利用時間数や時間帯を決めている |
240人 |
(3) 自由に使わせている |
227人 |
子どもは特殊なサイトを見てしまったことがあるか
(1) 見たことはない |
903人 |
(2) 分からない |
72人 |
(3) アダルト画像 |
69人 |
(4) 出会い系サイト |
47人 |
(5) 他人の悪口や誹謗中傷の情報 |
24人 |
(6) 犯罪をそそのかしたり薬物や麻薬の情報 |
7人 |
(7) 暴力や残虐画像 |
17人 |
下記は,平成16年度に全国の小学校5年生,中学校2年生,および児童生徒の保護者を対象にした(社)日本PTA全国協議会の「子どもの心に与える有害情報問題の取り組み『青少年とインターネット等に関する調査』」の概要からの抜粋です。(調査人数:小学5年生…2469人,中学2年生…2567人/小学5年生保護者…2694人,中学2年生保護者2396人)
使う時保護者はどうしているか
小5 何もせず自由にしてくれる57.1%、そばに一緒にいる 22.7%
中2 何もせず自由にしてくれる83.8%、そばに一緒にいる 6.37%
電子メールの利用
小5 週1回以上61.1%、ほぼ毎日 23.6%
中2 週1回以上89.3%、ほぼ毎日 58.3%
出会い系サイトの広告メールを受信し返信した
中2 2.7%、出会い系サイトの利用経験1.8%
インターネット利用について家庭内のルール
親が決めたルールはない: 小5 60.8%、中2 75.0%
インターネットを使う時特に注意していること
特にない: 小5 27.5%、中2 27.9%
インターネットの利用頻度
週1回以上: 小5 51.1%、中2 65.2%
インターネットの利用目的1位
小5 勉強のための情報入手、中2 趣味や娯楽のための情報入手
(「趣味や娯楽」57%, 「気分転換・ひまつぶし」52%, 「勉強のための情報入手」37%の順。