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最近ITではなくICTと言われるようになりましたが,このことと情報モラルとはどのような関係がありますか。
 ITは「Information Technology」の略で「情報技術」と訳されます。ICTは「Information and Communication Technology」の頭文字をとったものです。これは,もともとイギリスなどで使われていたもので,情報通信技術と訳し,インターネットなどの通信技術を含んでいます。

  しかし,ITとICTには,大きなニュアンスの違いがあります。従来のITではコンピュータなど電子情報機器の活用に視点が置かれていたのですが,「C」がつけ加えられることにより,コミュニケーション=人との関わりという視点が新たに加わったと考えることもできます。

  つまり,ITからICTへの移行は,通信を介して人と人とがコミュニケーションすることを前提とし,人と人との関係性の構築や情報社会での望ましい行動といった社会科学や人文科学の領域までもが視野に入ってくるわけです。当然ながら情報モラルもICT活用の重要な課題になります。

  ITからICTへの流れは,情報通信ネットワークが従来のハードウェアから,人と人とを媒介するメディアへと歩みを進めることを意味しているのです。
情報モラルを各教科で指導するにはどのようなことに留意すればよいでしょうか。
 各教科で情報モラルを指導することは大切です。特別なカリキュラムを用意するのではなく,従来の授業の中に情報モラルの視点を持った学習活動をはさみこむことで実践できます。

  国語では,「伝え合う力」の育成がさらに強調されるようになりました。以前より,自分の気持ちや思いを相手の人に伝える手紙の指導はなされてきましたが,今後は電子メールの書き方や掲示板による交流のしかたなども国語の授業として取り組まれるようになるでしょう。そこでは情報モラルの指導を併せて行うことが必要になります。

  社会科や理科では,様々な課題や疑問に対して情報手段を使って主体的に調べる活動も積極的に取り入れられるようになりました。いわゆる「調べ学習」の学習活動では,ネットワークを利用した活動が含まれています。これらの活用を初めて体験するときには,その利点の紹介と同時に併せて情報モラルを指導することが必要です。

  このように,各教科で情報モラルの指導を行う場面は数多くあります。しかし,散発的で一貫性が乏しくならないように注意が必要です。また,学級間や学年間で温度差も生まれがちです。そこで,情報モラルの重要さについて学校全体としてコンセンサスを得ると共に,実施した授業を同じ学年に広げ,次年度以降も「定番化」していくような取り組みが必要です。このような授業の積み重ねによって,学校全体の情報モラルの指導計画を策定する段階まで進めることができるでしょう。
コンピュータの環境がなくても情報モラル教育は可能ですか。
 もちろん可能です。社会の情報化に伴って出現する新たな課題に向かい合う中で,より正しい判断やよりよい人間関係の構築をめざすことが情報モラル教育の目的です。したがって,情報モラル教育はすべての教育活動の中で実践することが求められます。コンピュータのあるなしにかかわらず,教師が情報モラルに関する問題事例を授業の中で効果的に紹介することによって,より現実に迫る課題提起ができると思います。むしろ,コンピュータがない方が,問題を焦点化できる場合も考えられます。

  小学校の中学年ではペープサートや紙芝居などを用意して物語化することで,登場人物に同化し,登場人物の気持ちや立場になって問題事象をとらえることができるでしょう。 小学校高学年や中学生では,現実に起こった様々な事件を新聞の切り抜きなどで取り上げ,ケーススタディーとして情報モラルの事例研究を行うことが可能です。この場合も,通常の教室で可能です。このような,取り組みを積み上げることによって,実際にコンピュータを使う場面でそれらの学習が生かされると考えられます。
情報モラルの評価はどうすればよいですか。
 情報モラルは人の心に関する学習を含んでいます。また,情報モラル教育の成果は,学習を行った児童生徒が実際に現実の課題と向き合ったときに正しい判断ができるかどうかにかかっています。つまり,評価を将来に持ち越した学習とも言えるでしょう。 しかし,そうは言うものの,適切な評価がなければ,授業の価値や意味を見いだすことができず,よりよい授業を目指す方向が定まりません。では,どのように評価活動を行えばいいのでしょうか。

  たとえば,正しい判断を行うための前提となる知識を問うことは可能です。また映像やアニメを見せて,ある状況の中で正しい判断を選ばせるようなテストを開発することも可能です。しかし,やはりその成果は,授業後の児童生徒の日常生活をみとることが必要になるでしょう。普段の児童生徒の言動やメディアを活用しているときの学習の様子をみとる中で,情報モラルの授業で学んだ姿を見いだすことができればその授業が生かされていることの証明です。日常的な児童生徒の言動の細部に,学習の成果がちりばめられるようなそんな授業を目指したいですね。